2005年2月15日火曜日

第六十四回 謝罪

日系の小学四年生の女の子が、初めて日本の国を訪れた時の印象を、新聞の投稿欄に寄せていた。

日本人はすれ違い際に肩が触れたり、電車の中で体が当たったりしても「アイムソーリー」や「エクスキューズミー」を言わない。まるでエチケットがなっていない。礼儀知らずである。と、手厳しい。

確かに日本人はアメリカ人と比較すると、彼女の言う通り無骨であると思う。アメリカ人は何かにつけて「アイムソーリー」、「エクスキューズミー」を上手に使いこなす。けれども、アメリカ人は肝心な時には、なかなか謝罪してくれない。

一般的にエデュケートされたアメリカ人は、日常の些細なしくじりに際して、「アイムソーリー」、「エクスキューズミー」をよく発する。アメリカで生活をしていると、そんなことぐらいで、わざわざ謝ってもらわなくてもよいのにと、たびたび思うことがある。

だが、交通事故などで、明らかに自分の方に過失があった場合は、アメリカ人は絶対に謝罪しない。なぜならば現場で自分の非を認めると、裁判で不利になるからである。

先日、スポーツ用品店で買い物をしている最中、三歳半の娘が大きな自転車を倒してしまって、脚にケガをした。大したケガではなかったが、自転車が倒れる時に大きな音がした。同時に、娘の悲鳴も聞こえた。

店内には数人の従業員がいたにもかかわらず、誰もが見て見ぬ振りをしていた。これぐらいのことで、訴訟を起こすメリカ人がわんさといるからである。従って一介の店員はかかわり合いたくないのである。

日本であれば近くにいる店員が即座に駆けつけて、一言大丈夫ですかと、声をかけるだろう。また、交通事故を起こして、自分の方に明らかに過失がある場合には、その場で謝罪するだろう。

アメリカ人のスタッフは、ホテルのフロントで、ホテル側の予約ミスであっても謝らない。空港のチェックイン・カウンターで、航空会社の予約ミスを謝らない。レンタカーのカウンターでも、レストランで、アペタイザーの皿の上を青虫が這っていたのでクレームをつけても、彼らは謝らない。

一言謝ってくれれば、こちらの苛立ちも少しは治まるというのに、訴訟の国アメリカでは、謝罪は禁物なのである。

一年ほど前に、レストランで三人の女性がクラムチャウダーを食べている時に、三人とも、中から使用済み(?)の避妊具が出てきたという事件をテレビのニュースで知った。多分この時の驚きようは、青虫どころではなかったと思う。まるでドッキリ・カメラさながらである。その後、どうなったことやら。

五年前の米プロゴルフ・ツアーで、タイガー・ウッズのショットが大きく逸れて、ギャラリーの顔を強打、ウッズは顔面に裂傷を負い、出血した男性に謝罪して握手をするとプレーを続行

した。パットを終えると再びその男性のところに戻ってもう一度握手、ボールをプレゼントした。

「ゴルフだし、こんなこともあるよ。彼のせいではない。謝りに来てくれるなんて、ほんとうにいい男(やつ)だ」

負傷した男性は感激して、最後まで観戦を続けた。

同じころに、カリフォルニア州で謝罪を奨励する新法が成立した。謝罪することで相手側の感情が癒される。との結論に達したからだ。(新井)







ごめんなさい あプー

すみません あポー

もうしわけございません あプー

おゆるしください あポー

深く反省しています あプー



あやまっても あやまっても

口癖が災いする

ぼくはただただ平謝りするだけ

あプー

あポー

あプー

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