先日、管理人さんから連絡があった。ぼくはすっかり慌ててしまい、
「家賃が滞納していてすみません」
丁寧に謝ってしまった後で、
「ヨシュア・ジェイでーす」
少し低い声が受話器から聞こえてきた。ウエストロサンゼルス・ホーリネス教会、ホームページ管理人のヨシュア・ジェイ兄からの電話だったのだ。細君が管理人さんからと言ったので、つい早合点して、しくじってしまった。
この度、教会のホームページにぼくのコーナーを設けるので、早速連絡を入れてくださったのである。
電話が掛かってきた時、丁度、絵本の物語が完成したばかりだった。絵の方を担当してくださるのは画家の井上猛雄さん。この画伯はサウスベイ教会の井上姉のご良人である。これから隔週ごとに、5回ほど打ち合わせをすることになっている。
絵本のタイトルは『101ぷりのひつじ』。折角であるから、物語の冒頭を紹介しながらPRさせて頂こう。
「ひつじが1ぷり、ひつじが2ぷり、ひつじが3ぷり・・・ / ひつじが98ぷり、ひつじが99ぷり、ひつじが100ぷり、やっぱり ひつじが1ぷりたりない。」
羊飼いのダニエルは、行方不明になった仔羊ラムジーを捜しに出掛けるのだが、番人がいなくなった羊の群れのところに、お腹をすかした "くじらオオカミ″が出没。100ぷりのひつじたちは大パニックに陥るのであった・・・・・・。
この続きは来年の春、順調に行けば出版の運びとなる。どうか覚えて祈って下さい。物語のモチーフは、100匹の羊の群れから1匹の羊が行方不明になる譬話。(新約聖書/ルカ15:4~7)
ひらがなで〝ひつじ〝と書くと、羊の姿に見えてくるから不思議だ。「ひ」の字が羊の顔とよく似ている。犬や猫の顔には絶対に見えないのである。「つ」が胴体の部分で、「じ」が臀部から尻尾にかけての後部だ。来年(2003年)の干支は未だが、ぼくは×回目の年男を迎える。
或る統計によると、収入の少ない職業は俳優、作家で、しんがりが詩人だそうだ。俳優や作家は、一つ当たればミリオネアーになることが稀にある。詩人は当たったところで高が知れている。
無名の音楽家と画家そして詩人を比較すると、音楽家はピアノを教えたり、弾き語り等で収入が得られる。画家はというと、街角で「似顔絵描きます」のサインを出して座っていれば、懐に小銭が転がり込んでくる。詩人は用いられてあちこちに文章を書き、時間の費やすことでは音楽家や画家以上であっても、稿料などとは夢のまた夢である。
「わたしの羊を養いなさい」(ヨハネ21:17)この聖句は復活のイエスがペテロに命じた言葉である。換言すると「外への伝道と教会の務めを重んじなさい」と、イエスがペテロに心を込めて語っている。
今のぼくは外への伝道はともかく、教会員としての務めを怠っている状況にある。ヨシュア・ジェイ兄が水を向けてくださったお蔭で、ホームページに参加させて頂きながら、教会の務めを微力ながら維持させてもらえる。これは、その第一歩なのである。
先程、夢のまた夢などと嘆いたが、詩を書き、主のために文を綴れることは、金品には換えがたい喜びがあるのだ。その喜びを知っているぼくは幸せな男だと言ってよい。
拙稿を書き終えてから、ぼくは腹の底から大声を出して笑い転げた。まるで、歓喜するひつじの形相で。
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