新年、明けまして、おめでとうございます。
今年は未年、『ラッパを吹くひつじ』の年。
いよいよぼくは4回目の年男を迎えました。現在のぼくの心境は・・・
「門松や 冥土の旅の一里塚 目出たくもあり 目出たくもなし」(一休)
と、いうのは冗談で、
「年男 ハレルヤ感謝歓喜して 愛愛されて 永遠の命」
本年もよろしくお願い致します。
「あす(12月28日)そちら(LA)へ行くので、(LAXに)迎えに来てください」
奈良に住んでいる姉から矢庭に電話。九月にキャンセル待ちの状態で大韓航空に予約を入れていたそうであるが、十二月の上旬に旅行代理店に問い合わせてみた所、予約が取れる確率は数パーセントと言われた。もう、この時点で諦めてしまって、予約を入れていたことなどすっかり忘れてしまっていたらしい。ところが出発日の前日になって、旅行代理店から電話が掛かって来て、関空発ソウル経由の便が三席確保できたので、「如何なさいますか」、と問われて、姉ははたと気がついたらしい。 たまたま一緒に行くことになっていた息子たちが傍にいたので、
「行きたいか? 」
と訊いたら、二人が声を揃えて、
「オフコース」
と言うので、私も行く決心をした。と言うのである。電話口で姉は嬉しそうに
「私もオフコースよ! 」
と言いながらはしゃいでいた。実にいい気なものである。
「そっちはオフコースでも、ぼくはフルコースで忙しくなるやんか」
そう言うと、姉はすかさず
「どっさりお土産を持っていったるから、好きなだけ言いなさい」
随分気前のいいことを言うのである。
「鮒鮨、海鼠腸(このわた)、くさや、千枚漬け、辛子明太子、数の子、伽羅蕗の佃煮」
ぼくは思いつくまま、好物を羅列した。すると、
「なんや、たったそれだけかいな・・・ よっしゃ分かった」
姉は大きな声で笑った。
「ところでなぁ、旅行代理店の照会先から返事を貰うのに、二、三日掛かるらしい。何しろ急やったもんで、諸々の予約が必要なんや。分かるやろ、な、頼むわ」
語尾が柔らかく棚引いていた。と思っていたら、一転して
「今から言うからメモの用意して・・・ 」
姉は活発な口調で、ホテルの予約、レンタカーの手配、レイカーズの試合のチケット入手、グランドキャニオン観光の手配、おまけに、何やらブランド品が売っている店の所在地を、確認するようにせがまれた。揚句の果てに、ラスベガスのショー、オー(O)は絶対に観たいので、車でひとっぱしりして、ラスベガスまで買いに行ってくれないかという始末である。
やれやれ、食い意地の張っているぼくは、郷里(日本)の好物の土産という甘い言葉に、まんまと乗せられてしまったのだ。
ぼくは今月の十四日までに、月に九本の連載と取材、そして子育ての合間を見計らって、90枚ほどの書下ろしを執筆しなければならない。姉たちが四日までいるので、五日からスタートするとして丁度十日間、書き下ろしだけで一日九枚の計算になる。構想さえ確りと固まっていれば一日二十枚(八千字)までは可能である。心配なのは、半日以上筆が進まなくなると、締め切りに間に合わなくなることである。
姉と二人の息子はクリスチャンではない。長男の婚約者はクリスチャンだが、この突然に決まった小旅行を機に、ぼくは何とかして、彼らにイエス・キリストの愛を伝えてみたいと考えている。「聖霊、来たれり、聖霊、来たれり! 」。朝な夕なに、ぼくは心の底から力強く祈っているのだ。
二日目のレイカーズとラプターズの試合はかなり前の方の席だったので、彼らは大層喜んでくれた。シャキール・オニールを僅か二メートルの距離からデジカメにおさめる事が出来たと言って、甥っ子たちは大はしゃぎである。これでぼくも、グリフィスの天文台から飛び降りたつもりで、一席160ドルのチケットをプレゼントした甲斐があったというものである。不意の出費のお蔭で、お正月、日本からの珍味の数々に舌鼓を打った後は、当分99_のビッグ・マックとお付き合いする羽目になるだろう。
聖書は語っている。「務めて旅人をもてなしなさい」(ローマ人への手紙12:13)
もてなし上手になることは、クリスチャンとしての使命である。笑顔を絶やさずに心から親切にもてなすことは、彼らに対して何よりの伝道となるのだから。
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