詩人、新井雅之のラッパを吹くひつじ
2005年1月1日土曜日
第六十一回 ノリちゃんのこと
昔、隣に住んでいたノリちゃんのことを思い出した。彼女はぼくよりも二つ年上であった。性格が非常におっとりとしていたせいか、ぼくとよく気が合った。幼稚園から帰ると、いつも二人で遊んでいた。
小学校三年生になる前に、ノリちゃんは遠くへ引っ越して行くことをぼくに打ち明けた。桜の花が咲きはじめて、いつしかノリちゃんの姿が見えなくなってしまった。空き家になっている隣の家を眺めながら、祖母が呟いた。
「かわいそうに、ノリちゃんは貰われていったんだよ
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